ケルト紋様の代表的な組紐模様とそのアレンジ
ケルト紋様で代表的な文様で宗教的な融合も見せる組紐模様
ヨーロッパの中でも北方に位置する古代ケルト文明において代表的な文様の一つとされているのが組紐模様です。
複雑な模様は複数層のグリッドの枠線で線をつないで連続した模様を生み出しています。
ケルト紋様のもう一つの代表的な装飾である渦巻構造と組み合わせて用いることでさらに複雑性に富んだデザインになり、本の装丁などに使われているものは彩色されその細密さに格式の高さを感じるでしょう。
アイルランドの国宝になっているケルト三大写本の一つ「ケルズの書」は世界で最も美しい本といわれ、豪華なケルト紋様で装飾されています。
組紐模様の結び目は幸運のお守り
組紐模様の結び目は豊穣や多産お守りとされ、仏教でも不空羂索観音が邪を払う豊穣・多産のお守りとされるなど世界各地で不思議な共通点がある神聖視される存在です。
またケルトの文化圏にキリスト教が伝播する中で土着の宗教と融合し組紐模様が刻まれた十字架であるケルティッククロスが多く作られるなどまさに文化の結び目となった装飾です。
古代ローマにみられるひねり紐紋様との違い
古代ローマから用いられているひねり紐模様はゆったりとした空間を使って描きモザイクでの平面での装飾の場合も陰影をつけて立体感やグラデーションを演出します。
組紐模様の動物文様との融合
ケルトの組紐模様は騎馬民族の文化と融合した動物文様との組み合わせが多くみられます。
先述したケルト三大写本でも組紐模様の中に鳥や怪物の頭が装飾として組み込まれており、後世ではアルフォンス・ミュシャも絵の中に取り入れています。
アレンジが生まれやすい組紐紋様
冒頭に既述したように組紐文様はデザインの基本部分がシンプルな構造になっているので他の紋様との組み合わせや動物風や植物風といったアレンジがしやすい文様です。
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