
グリフィンの意味と由来 勇気と守護を象徴する伝説のモチーフ
グリフィンとは

グリフィン(Griffin)は、鷲の上半身と獅子の下半身を持つ神秘的な生物です。
空の王者=鷲と、地上の王者=獅子を組み合わせた姿は、古代から「最強の守護者」として崇められてきました。
グリフィンの由来と歴史
古代ペルシャ・メソポタミア
紀元前3000年頃の美術品に、すでにグリフィンの姿が見られます。
宝物や神殿を守る存在として信じられていました。
古代ギリシャ神話では黄金を守る番人として登場し、アポロンやゼウスの御使いともされました。
中世ヨーロッパにおいては騎士や貴族の紋章に多用され、「勇気」「忠誠」「守護」の象徴となりました。
現在でもスウェーデンのセーデルマンランド地方の紋章にグリフィンが使われています。
発祥は諸説ありますが古代にライオンが多く生息していたザグロス山脈からイラン高原を起源としているという説があります。
アケメネス朝ペルシアの西方進出に伴い紀元前5世紀ごろにはバルカン半島に伝えられていたようです。
グリフィンが象徴する意味
守護と防衛 – 大切なものを決して奪わせない力
- 王権と権威 – 天と地を制する支配力
- 勇気と忠誠 – 仲間や主君への絶対的な忠義
- 調和 – 天界(鷲)と地上(獅子)の融合
基本的にグリフィンは高貴さや王者の風格の象徴とされているおり聖獣ですが、反転した意味で悪魔的な扱いをされている側面もあります。
キリスト教の一部解釈では「獣と鳥の混成生物」は神の創造秩序を乱す存在と見なされ、異端や魔性の象徴とされることもありました。
特にルネサンス期以降、「人間の魂を試す試練の怪物」「貪欲の象徴」として描かれるケースがあります。
先述した通りグリフィンはペルシアから伝播しているおりキリスト教が存在する以前からあるモチーフなので、キリスト教においては異教の存在のため違った見方が存在します。
ただ頭が鷲で4本の足が獅子というデザイン好まれたため広く普及することになったようです。
中世ヨーロッパの寓話における「貞節の守護者」
一部の中世説話やベスティアリウム(動物寓話集)では、グリフィンが伴侶を一生変えない一夫一婦制の象徴として描かれます。
この特性から、特に女性の純潔・貞節を守る守護獣として婚礼や貴婦人の紋章に使われることがありました。
例として新婚の女性を守る存在として城門や宝箱の装飾に彫刻されるケースがあります。
まとめ
グリフィンは、古代から現代まで愛され続ける勇気と守護の象徴であり、その力強い造形と象徴性から、ジュエリーや金属作品のデザインに頻繁に用いられます。
着ける人に「力強さ」「守護」「高貴さ」を与えるモチーフとして、重厚感のあるメタルワークや紋章風デザインに映える存在として愛されています。