
オリーブ(Olive)のモチーフ ─ 平和と繁栄を象徴する古代からの装飾
オリーブとは

オリーブは地中海地域を代表する常緑樹で、その実は食用やオイルとして人類の暮らしに深く結びついてきました。
同時に、葉や枝は「平和」「豊かさ」を示すモチーフとして、古代から美術や装飾に登場しています。
古代ギリシャにおける起源
アテネ神話:女神アテナがオリーブの木を贈り、それが都市アテネの名の由来となったとされます。
オリンピアの勝者冠:古代オリンピックでは、勝者にオリーブの冠(カリステフォロス)が授けられました。
→ ここからオリーブは 勝利・栄光 の象徴となりました。
ローマ時代の意味
ローマではオリーブが 平和・繁栄・神聖さ を象徴。
戦争の後、和平を示すしるしとして「オリーブの枝」が掲げられる習慣がありました。
→ これが今日でも 「平和の象徴」 として世界に広まった背景です。
中世〜近世ヨーロッパでの展開
キリスト教美術では、ノアの方舟の物語でハトがオリーブの枝をくわえて帰るシーンが「神と人間の和解」「新しい平和の始まり」として描かれました。
紋章学でもオリーブの枝は「和解・調和・誠実さ」を示す意匠として採用されました。
ルネサンス以降の装飾とジュエリー
ルネサンス装飾では、オリーブの枝が月桂樹やアカンサスと組み合わせて描かれ、勝利と平和の両面を強調。
近代では国旗や勲章のデザインにも取り入れられ、国家や共同体の繁栄と平和を表す象徴となりました。
ジュエリーデザインにおいては、オリーブリーフの繊細な曲線が「平和・愛・永続する絆」を表現する装飾として人気があります。
象徴する意味まとめ
- 平和(オリーブの枝=和平のしるし)
- 繁栄・豊かさ(実りとオイルから)
- 勝利と栄光(古代オリンピックの冠)
- 調和と誠実(紋章や宗教美術での意味)
- 神聖さ(アテナ女神との結びつき)
まとめ
オリーブのモチーフは古代から現代まで「平和」「繁栄」「勝利」を象徴する重要なシンボルとして生き続けています。
ジュエリーや彫金デザインに取り入れることで、持つ人に「調和と祝福」を与える意匠として大変魅力的です。