アクセサリーに見るドラゴン・龍モチーフの意味と由来
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邪悪さと神聖さを併せ持つドラゴン・龍モチーフ
アクセサリーやアンティークジュエリー、紋章などで人気の高いドラゴンと龍の紋章は東洋と欧米で違った印象を持ったモチーフです。
欧米におけるドラゴンは、病魔のを広めたり人間に生贄を求めるなど基本的にはキリスト教の視点から悪魔として描かれており、聖ゲオルギウスがドラゴンを退治する祭壇画などが非常に有名です。
近年のストリートアクセサリーでは、その悪魔的なイメージを利用してハードな印象を与える造形をされることが多く見られます。
しかし西洋でも悪魔としての印象だけではなく、ウェールズの国旗に描かれる赤い竜「ア・ズライグ・ゴーッホ」に代表される民族の象徴としての竜のように神聖な存在もあります。
東洋における龍は神聖な存在
東洋においては龍は非常に神聖な存在として描かれます。
龍は古代より自然界のエネルギーを象徴する霊獣として中国や東アジア各地で崇められ、水神をはじめとした神として認識されてきました。
その神としての権威が中国では皇帝の権威を示すモチーフとして用いられ「五爪の龍」など印象的な話もあります。
時代によっては二角五爪の龍以外は龍ではないと区別されることもあります。
日本においては水神として崇められ、火事が多かった江戸時代には寺社建築の意匠として用いられ染織物の吉祥紋様としても多用されました。
ドラゴンの装飾はどこから来たのか
ドラゴンのデザインは古代オリエントの各地やササン朝ペルシアなどからヨーロッパに伝わったものが元になっているとされています。
現代のルーマニアの地をローマが征服した際に当時のルーマニアの地にあったダキア兵団の軍旗が「ドラコ」と呼ばれ、日本における旗印としたものがヨーロッパの各地に伝播していったと考えられています。
最初は手足のない蛇のようなデザインだったようですが、伝播していく中でデザインが変化し手足のあるドラゴンになったようです。
また北ヨーロッパではヴァイキングが船の舳先に用いるなど、ウェールズのように民族を象徴する存在となりました。