装飾で使用される葡萄モチーフの意味と由来

日本でも古くから使用されている葡萄モチーフの意味と由来

日本でも奈良時代に伝播して古くから使われている葡萄の文様。

葡萄は粒が多いことから多産と豊穣を象徴するモチーフとされています。

古代ギリシアでは酒や祝祭の神デュオニソスとともに表現されている彫刻や壺絵が多く見られます。

キリスト教が広まっていくと宗教の神秘性を象徴するものとして扱われ、ツタが巻き付いているタイプの十字架のツタは葡萄のツタです。

聖樹のモチーフや彩色写本の装飾に使われている蔓も葡萄の蔓として描かれています。

ケルズの書のようなケルト美術の装飾に見られる紙面全体を埋め尽くすような組紐(インターレイス)のように、発展した葡萄唐草がモチーフとしての特徴が非常によく表れており、葉っぱや果実・蔓が所狭しと描かれている様子はまさに多産と豊穣の象徴です。

彩色されていない場合でも見るものを圧倒します。

 

日本でも広く浸透した葡萄モチーフ

奈良時代に日本に伝播した葡萄モチーフは聖武天皇の正倉院御物にも多く見られます。

そこから帯の柄にも用いられ、吉祥紋様として葡萄とリス(栗鼠)を組み合わせた葡萄栗鼠文が生まれ、着物や帯以外にも建物の装飾としても用いられ柴田是伸は葡萄栗鼠の絵を書いています。

葡萄は実を多くつけることから多産豊穣、栗鼠は一度にたくさんの子供を産むのでこちらも多産・子孫繁栄を意味します。

また不思議なことに、仏教においても葡萄唐草は用いられ薬師如来の台座に描かれています。

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