近年人気が高まっている真鍮のアクセサリー。
金額的には購入しやすいものの、金メッキしていない真鍮アクセサリーはお手入れをサボるとあっという間に汚れてしまいます。
しかしポイントを押さえれば真鍮のお手入れは難しくありません。
真鍮のアクセサリーの購入を検討されている方は購入前にお手入れのポイントを押さえておきましょう。
今回は真鍮のアクセサリーの簡単なお手入れ方法と、緑青(青サビ)が発生した場合の対処についてご案内します。
真鍮のジュエリーはこまめなお手入れが必須
シルバーやゴールドと違い、メッキしていない真鍮のアクセサリーはこまめにお手入れをしないとあっという間に青サビ(緑青)が出てきて劣化するので注意が必要です。
緑青が出るとホームセンターなどで販売されている研磨布では簡単に落とすことができません。
緑青に毒性はありませんが、緑青が出ている状態で身に着けると服や手や指にしっかりと付着してしまいなかなか取れません。
※緑青に毒性がないという事に関しては昭和59年に厚生省(現:厚生労働省)によって発表されています。
真鍮が汚れる、青サビ(緑青)が浮いてくる原因
真鍮だけではなくどの素材のジュエリーにも言えることですが、基本的に身に着けるものは人間の皮脂と汗が大体原因になります。
そのため、普段は身に着けた後に柔らかい布で拭いてから保管しましょう。
べったりと指紋がついて軽く布で拭いた程度でとれない場合、アルコールティッシュや除光液を含ませたティッシュで拭くときれいになります。
放置していると付着した汚れを起点に一気に汚れます。
真鍮アクセサリーのお手入れ方法
お手入れに使うものはこちら。
- 重曹
- 水道水
- コットン(なければキッチンペーパーやティッシュ)
- 歯ブラシ(やわらかめ)
- 綿棒
- 爪楊枝
最低限「重曹」「水」「ティッシュ」があれば真鍮アクセサリーのお手入れは可能です。
真鍮ジュエリーのお手入れ方法&青サビの落とし方
1. 大さじ2杯の重曹に大さじ1杯の水道水を混ぜる
分量はおおよそなので大体で大丈夫。水に溶いた重曹がジャリジャリするぐらいが目安です。
2. 真鍮に乗せて優しくこする
水に溶いた重曹を真鍮に乗せ、コットンや綿棒を使って力を入れないように擦ります。綿棒が入っていかないような模様の細かい部分は歯ブラシや爪楊枝を使いましょう。
表面に青錆が浮き始めたばかりであれば、重曹に浸した綿棒で軽く擦れば簡単に落ちます。
スワロフスキーやなにかしらのパーツがついている場合は、力加減を間違えるとパーツが外れてしまう可能性があるので要注意。
3. 水分を拭き取りよく乾かす
水洗いして水分を拭き取り、水分が残らないようにドライヤーの冷風でしっかりと乾かします。
金メッキされた真鍮アクセサリーに青錆(緑青)が出ている場合は、メッキが剥がれてきている状態なので強くこするとさらにメッキが剥がれてしまう危険があります。
真鍮アクセサリーにかかっていたメッキが剥がれている場合は、洗浄した後にメッキのかけ直しを業者に依頼しましょう。
真鍮のジュエリー程度のサイズであれば綿棒で充分ですが、バングルぐらいのサイズになってくるとメラミンスポンジやキッチンスポンジを併用すると効率よく洗浄できます。
汚れ(青サビ)がついて長期間放置している場合
全体に青錆(緑青)がしっかりついていて長期間放置している場合は、水と重曹を混ぜた洗浄液をキッチンペーパーやコットンなどに染み込ませて青錆部分に乗せて青錆を浮かせた後に丁寧にふき取ります。
キッチンの油汚れを取る時、キッチンペーパーに洗剤を染み込ませて汚れの頑固な部分に張り付ける方法に近いイメージです。
青サビ(緑青)自体は銅を保護するために浮いてくるものなのでそこまで悪いものではありませんが、真鍮は銅と亜鉛の合金なので、銅が保護されていても亜鉛の成分が腐食してスカスカになっていることがあります。
極端に言うと表面は大丈夫に見えても中が空洞になって強度が落ちている可能性があるのです。
それを踏まえると、汚れを浮かせた後はコットンで汚れを吸わせ軽く拭く方法が真鍮アクセサリー本体への負担が少なく済みます。
しつこい汚れがついていると力を入れて拭きたくなるものですが、パワフルに拭くと破損してしまう危険があります。
特にアンティーク系の真鍮アイテムは繊細に作られたものが多いので、力任せに擦るのではなく繰り返し浸け置きして自然に緑青が分解されてから拭き取りましょう。時間がかかりますが一番確実で安全です。
重曹は食用に使われているので当然人体に無害ですし、金属自体にもダメージを与えないので安心して使用できます。
液体コンパウンドを使う方法
真鍮のアクセサリーより大きなサイズのものがメインになりますが、ホームセンターで売っている洗車用の液体コンパウンドを使う方法もあります。
液体コンパウンドで細かい傷を取って輝きを取り戻すと同時に、柔らかいタオルで拭き取ると保護膜ができて劣化をかなり抑えることができ、驚くほどきれいになります。
銅色に変色した真鍮製品にもある程度対応できる強力な方法です。
しかし液体コンパウンドは薄いながらも表面を削って磨くものなので、メッキがかけられている真鍮に使用するとメッキが剥がれる可能性があります。(液体コンパウンドの容器にも注意事項として記載されています)
お手入れ後は水気をしっかりと乾かさないと青サビ(緑青)が復活する
特に真鍮は水分、酸、皮脂で一気に汚れるので、濡れた場合はドライヤーでよく乾かしましょう。
青サビ(緑青)はちょっとでも湿気があるとあっという間に復活します。
重曹でのお手入れも水を使うので、洗い終わったらしっかりと乾かしてください。
他のパーツが接着剤で付けられているアクセサリーは熱風で乾かすと接着剤が緩んで外れる可能性があるので冷風で乾かしましょう。
真鍮のお手入れでやってはいけないこと
お酢でお手入れするのは厳禁
お酢でも汚れや青錆(緑青)は取れますがおすすめはしません。
強い酸ではないので溶けはしませんが色が変わってしまう可能性があり、しかもシミみたいな感じになるので見た目が汚くなります。
変色した部分は磨く程度では直らず、表面を削っても直るかわからない状態になってしまいます。
青サビ(緑青)が取れてもお手入れ後も酸化(腐食)が止まらず、真鍮自体にダメージが残る危険があるのです。
熱湯を使わない
真鍮のアクセサリーのお手入れに熱湯の使用は厳禁です。
ちょっとした汚れやベタツキであれば熱湯で一気に取れるだろうと考える方もいると思いますが、メッキされていない真鍮のアクセサリーは熱湯に長時間入れると変色(銅色)します。
熱湯にずっと入れていると隅々まで変色するので、そうなってしまったら専門店に相談するしかありません。
お湯は使ったとしてもお風呂ぐらいの温度(41℃)までがおすすめです。
お手入れした後はしっかりと乾かして、空気触れないようにビニールのチャック袋に入れておきましょう。
丁寧にお手入れすれば真鍮のジュエリーもかなり長く愛用することができます。
こまめにお手入れして大事にしてあげてください。